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フシギなおんな
フシギな女
「新潮 第四八巻第五号」1951(昭和26)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,406 字 · 35 页
実験者の方にかかっているその責任の負担が、あらゆる断定を疑う弱点となって現れるのである。いかんともしがたいことだ。
それにしても、毎日新聞が「山口は犯人にあらず」ときめてかかったり、朝日新聞がはじめのうちは「山口は犯人らしい」ときめてかかったことは、内々はよろしいとして、それを紙上に明記するのは、いろんな意味で危険ですね。まず第一にその軽率さを責めらるべきである。
新聞は単に事実を報道すべきものであるか、もしくは一人の彼を犯人と見たり犯人に非ずと見てそれを公表してよろしいものであるかどうか、昔からの問題であるが、とにかくそれによって益するよりも害毒を流すことが多いだけは確かであろう。新聞がそれを行うのは功名心、他紙との勝敗を争うという功名心が主であろうが、その結果は一方が下山総裁自殺説をとれば、一方は他殺説をとる、まア時には御愛嬌でよろしいけれども、その推論の根拠がいかにも薄弱で軽薄きわまるものがある。この軽薄さをさして、あるいはジャーナリズムと云うのかも知れない。風の中の羽のように軽いのは、男でも女でもなくて、ジャーナリストの心かも知れませんね。