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フシギなおんな
フシギな女
「新潮 第四八巻第五号」1951(昭和26)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,406 字 · 35 页
新聞記者は自ら渦中にいて、直接山口と会ったりして却って明白に露出している真相を逸していたようだ。
私が「フシギな女」を書いたのは、単に人間の心理を解析するだけで、確実に犯人を推定しうる稀有な場合であったから。
こんなことはメッタにあるものではない。現場も見ずに素人が犯人を当てるなどということは、万に一ツぐらいの珍しいことだ。
事件直後に朝日新聞が犯人は誰だと思う、と聞きに来たが、ことわった。その時はこう明白に推定できた時ではなかった。現場がどんなになっているのか、足跡があるのか、台所で身体を洗ったり、血の始末をした跡があるか、何も分らない。そういうことが分らなくて推理はできないものである。ただ、新聞に報じられている状況から判ずると、朝日の疑っている人物が疑わしいことは確かだ、とだけ、つけ加えて答えただけだ。だいたい事件直後に素人タンテイが犯人を推理するなどとは滑稽なことだ。すべて事件のカギは現場にあるのだ。それを見ずに、まして素人が、きいた風なことを云ってみたって仕様がない。今後もあることだから言っておきますが、事件直後に安吾タンテイの推理をききにきたってムダです。