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フシギなおんな
フシギな女
「新潮 第四八巻第五号」1951(昭和26)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,406 字 · 35 页
科学者はみなそうあるべきだとお考えかも知れませんが、否、否、科学の独創的な仕事は、むしろ傾斜する思考から生れるのが自然ではありませんかね。タンテイはそうじゃないね。限界がハッキリ与えられている。独創はないのだ。タンテイに独創はありません。臨床医と同じようなものだ。ただ傾斜の少い正確な眼が必要なだけだ。新聞の報道という任務にも、この眼が基本でなければならないと思うのだが、およそ日本の新聞には、この眼がありませんね。太田成子さんと同じようにヤブニラミであるか、甚しく傾斜したがる眼ですね。いつも事実を自分の方から逃している眼ですよ。眼グスリだけでは治らない病気だね。報道に独創なんてことはあるべきじゃアないから、傾斜してはいけません。
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タンテイの推理と科学の独創は違うといったが、科学もある点まではタンテイと類似した推理ですね。私はそれをこの三月、常磐線の汽車の中でイヤというほど思い知らされました。
文藝春秋へ連載している安吾日本地理というものの夏のシーズンに「只見川ダム」という予定をたてておいたのである。予定をたてたときは威勢がよかったが、少くとも一週間は人なき山中を彷徨しなければならないのだからね。