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プロレタリアぶんがくのそんざい

プロレタリア文学の存在

宮本 百合子

「文化タイムズ」1947(昭和22)年12月1日号

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,541 字 · 4 页

青空文庫

現世紀の社会歴史の発展は、あらゆる段階とそれに応じた様々の様相を通じて、労働者階級がその主導的な力であることは、世界の事実となっている。そのような階級の力として日本に労働者階級があり、その階級の人間的表現としての文学運動があらわれたとき、それが、将来におよぶ階級的使命の見とおしに立ってプロレタリア文学とよばれたことは正当であった。

「世界のプロレタリア文学運動は、世界のブルジョア文化とその文学の創造能力の矛盾と限界とを見出して、人類史の発展的モメントとして現世紀に登場している勤労階級の生新な創造性を自覚したところに生れたのであった」と(五九頁)いっているとおり。

今日課題となっている日本の民主化は、人民的な民主主義の徹底なしには不可能である。そして、その主導力が労働者階級を中核とすることも明りょうである。ファシズムがおこったときフランスに人民戦線運動がつくられたのをはじめとして、世界の民主的方向が労働者階級の同盟者として農民、更にその協働力として進歩的な小市民、インテリゲンツィアが連帯活動におかれている。このことは、私たちに民主主義文学運動において労働者階級の文学が更に力づよいものとして発展してゆくべきことを示している。