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プロレタリアびじゅつてんをみる

プロレタリア美術展を観る

宮本 百合子

「東京日日新聞」1930(昭和5)年12月3、4、5日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,248 字 · 5 页

青空文庫

(三)

第三回プロレタリア美術展は出品点数二百十七。出品画家は百名を越えている。初めに書いたように、おしまいは四辺が暗くなってしまった位だから、こまかく一つ一つについていえない。

彫刻は、うまいもんだ。ここでも、ソヴェトと日本との実際運動の情勢の相違が現れていて興味深い。ソヴェトは革命を経験し、今全く建設時代だ。若い美術家は、そこで、彫刻において、赤衛兵を、ソヴェトの男女労働者を、世界プロレタリア解放運動のための闘士を大きく記念碑的に表現しようとして、技術がなかなか追いつかぬ。実際的には石や石膏をいじるより、例えば「文化と休みの公園」の広場に飾られてるような大骨板張の大労働者像、一九三〇年のメーデーに赤い広場に飾られた大群像、または示威運動の張りものみたいな非写実的な、応用美術の方が手に入ってる。日本で労働運動はそのような祝祭の張りものを求める状態にはまだなっていない。その代り、こういう小さい、しかし現実的な大いに語るところのある彫刻がつくられているのだ。

日本のプロレタリア芸術運動は、文学にしろ美術にしろ共通の困難を経験しつつある。