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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:風野又三郎、タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった、ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、若い木霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 页

青空文庫

「三百四年、千十円。」

ネネムはすばやく勘定しました。

「もうわかった。第三十番。電信柱の下の立ちねむり。おまえは千三十円とっているだろう。」

「全くさようでございます。ご明察恐れ入ります。」

その時さっきの角のところに立って、あくびをしていた監督が云いました。

「どうです。そうでしょう。私は毎日千三十円三十銭だけとって、千三十円だけこの人に納めるのです。」

ネネムが云いました。

「そうか。すると一体誰がフクジロを使って歩かせているのだ。」

「私にはわかりません。私にはわかりません。」とみんなが一度に云いました。そこでネネムも一寸困りましたがしばらくたってから申しました。

「よし。そんならフクジロのマッチを売っていることを知っているものは手をあげ。」

硬い黒いタンイチはじめ順ぐりに十人だけ手をあげました。

「よろしい。すると十人目の貴さまが一番悪い。監獄にはいれ。」

「いいえ。どういたしまして。私はただフクジロのマッチを売っていることを遠くから見ているだけでございます。それを十円に売るなんて、めっそうな、私は一向に存じません。」

「どうもこれはずいぶん不愉快な事件だね。