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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:風野又三郎、タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった、ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、若い木霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 页

青空文庫

一通り中の設備を見てからネネムは警察長と向い合って一つのテーブルに座りました。警察長は新聞のくらいある名刺を出してひろげてネネムに恭々しくよこしました。見ると、

ケンケンケンケンケンケン・クエク警察長

と書いてあります。ネネムは

「はてな、クエクと、どうも聞いたような名だ。一寸突然ですがあなたはこの近在の農家のご出身ですか。」と云いました。

すると警察長はびっくりしたらしく、

「全くご明察の通りです。」と答えました。

「それではあなたは無断で家から逃げておいでになりましたね。お母さんが大へん泣いておいでですよ。」とネネムが云いました。

「いや、全く。実は昨晩も電報を打ちましたようなわけで、実はその、逃げたというわけでもありません。丁度一昨昨日の朝、一寸した用事で家から大学校の小使室まで参りましたのですが、ついそのフゥフィーボー博士の講義につり込まれまして昨日まで三日というもの、聴いたり落第したり、考えたりいたしました。昨晩やっと及第いたしましてこちらに赴任いたしました。」

「ハッハッハ。そうですか。それは結構でした。もう電報をおかけでしたか。」

「はい。」

そこでネネムも全く感服してそれから警察長の家を出てそれから又グルグルグルグル巡視をして、おひるごろ、ばけもの世界裁判長の官邸に帰りました。