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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:風野又三郎、タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった、ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、若い木霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 页

青空文庫

「へい。これはとんだ無調法を致しました。ただ今、すぐ持って参ります。」と云いながらその給仕は、幕のうしろにはいって行って、長さ二尺ばかりあるナイフを持って参りました。ところがそのナイフをテーブルの上に置きますと、すぐ刃がくにゃんとまがってしまいました。

「だめだ、こんなもの。」とその椅子にかけたばけものは、ナイフを床に投げつけました。

ナイフはひらひらと床に落ちて、パッと赤い火に燃えあがって消えてしまいました。

「へい。これは無調法致しました。ただ今のはナイフの広告でございました。本物のいいのを持って参ります。」と云いながら給仕は引っ込んで行きました。

するとどうもネネムも検事もだれもかれもみんな愕いてしまったことは、いつの間にか、どうして出て来たのか、すてきに大きな青いばけものがテーブルに置かれた皿の上に、あぐらをかいて、椅子に座った若ばけものを見おろしてすまし込んでいるのでした。青いばけものは、しずかにみんなの方を向きました。眼のまわりがまっ赤です。俄に見物がどっと叫びました。

「テン・テンテンテン・テジマア! うまいぞ。」

「ほう、素敵だぞ。テジマア!」