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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:風野又三郎、タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった、ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、若い木霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 页

青空文庫

大抵の裁判はネネムが出て行って、どしりと椅子にすわって物を云おうと一寸唇をうごかしますと、もうちゃんときまってしまうのでした。

さて、ある日曜日、ペンネンネンネンネン・ネネムは三十人の部下をつれて、銀色の袍をひるがえしながら丘へ行きました。

クラレという百合のような花が、まっ白にまぶしく光って、丘にもはざまにもいちめん咲いて居りました。ネネムは草に座って、つくづくとまっ青な空を見あげました。

部下の判事や検事たちが、その両側からぐるっと環になってならびました。

「どうだい。いい天気じゃないか。

ここへ来て見るとわれわれの世界もずいぶんしずかだね。」ネネムが云いました。

みんなの影法師が草にまっ黒に落ちました。

「ちかごろは噴火もありませんし、地震もありませんし、どうも空は青い一方ですな。」

判事たちの中で一番位の高いまっ赤な、ばけものが云いました。

「そうだね全くそうだ。しかし昨日サンムトリが大分鳴ったそうじゃないか。」

「ええ新報に出て居りました。サンムトリというのはあれですか。」

二番目にえらい判事が向うの青く光る三角な山を指しました。

「うん。そうさ。