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かぜのまたさぶろう
ポラーノの広場
宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:風野又三郎、タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった、ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、若い木霊。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 页
聴きたくないなら早くはっきりそう云ったらいいじゃないか。僕行っちまうから。」
「聴きたい。」一郎はあわてて云いました。又三郎は少し機嫌を悪くしながらぼつりぼつり話しはじめました。
「サイクルホールは面白い。人間だってやるだろう。見たことはないかい。秋のお祭なんかにはよくそんな看板を見るんだがなあ、自転車ですりばちの形になった格子の中を馳けるんだよ。だんだん上にのぼって行って、とうとうそのすりばちのふちまで行った時、片手でハンドルを持ってハンケチなどを振るんだ。なかなかあれでひどいんだろう。ところが僕等がやるサイクルホールは、あんな小さなもんじゃない。尤も小さい時もあるにはあるよ。お前たちのかまいたちっていうのは、サイクルホールの小さいのだよ。」
「ほ、おら、かまいたぢに足切られたぞ。」
嘉助が叫びました。
「何だって足を切られた? 本当かい。どれ足を出してごらん。」
又三郎はずいぶんいやな顔をしながら斯う言いました。嘉助はまっ赤になりながら足を出しました。又三郎はしばらくそれを見てから、
「ふうん。」
と医者のような物の言い方をしてそれから、
「一寸脈をお見せ。