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マクシム・ゴーリキイのはってんのとくしつ
マクシム・ゴーリキイの発展の特質
宮本 百合子
「改造」1936(昭和11)年8月臨時特大号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,694 字 · 33 页
五ヵ年計画の達成と、それによって引き起されたソヴェト同盟の社会的現実の変化は、さながら一つの強大な動力となって、マクシム・ゴーリキイが六十有余年の間に豊かに蓄えた人間的経験、作家としての鍛錬、歴史の発展に対する洞察力と確信などのすべてを溶かし合わせ、すべての価値を発揮させ、世界の進歩的な文化を守るために活動させたと観察される。「どん底」を書いたのは四十年近く前であり、その頃から各国語に翻訳されて読まれるという意味ではゴーリキイは若い時から世界的な作家であった。しかし、最近数年のゴーリキイが世界的であったという意味は、それよりもっと深まったものであったと思う。多くの人の興味を引くという意味で世界的であった彼は、晩年に於て人類の文化の正当な発展のために、今日の地球になければならない楔の一つとして、われわれ文化の進歩を確信するものすべてによって愛し、尊敬される存在となっていたのである。
私がゴーリキイに会ったのは一九二八年であった。彼が五年ぶりに、イタリーからソヴェト同盟へ帰って来た時のことで、当時ゴーリキイは、ソヴェト同盟に自分が永住するかどうかということについても、はっきり心を決めていなかったようであったし、彼としては予想したよりはるかに盛大な、心からの歓迎に感動しつつ、今日から考えると、日の出前の空が、