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マルおよびムレについて

マル及ムレについて

木暮 理太郎

「霧の旅」1937(昭和12)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,258 字 · 30 页

青空文庫

のである。

都留郡にはマルの付く山は多いが、ムレは甚だ少なく僅に四座あるのみである。

道志村  大群山 殿群山

西原村  大群山(権現山)

棡原村  小勢籠山

小勢籠山は小伏沢の南にある。△五四二・九であるように聞いた。殿群は今は鳥ノ胸と書し、トンノムネと呼んでいることを武田君から教えられた。ウソフクといいトノムレといい、転訛の甚だしいこと全く驚くに堪えたものである、地名考究の困難なる所以のよき例であろう。

「大群山と富士山(焼山より)」のキャプション付きの写真

●大群山と富士山(焼山より)

山は少ないが其代りとして、大ムレ権現を祀った社は頗る多い、それがほぼ道志山塊を境として南北の二群に分れ、南に在る者は富士隠しの異名ある大群山を中心とし、北に在る者は権現山を通称とする大群山を中心としている。即ち

大室権現、長幡正八幡相殿(竹ノ本ニアリ。) 社地除地百九拾弐坪、神鏡七面金像ノ大黒アリ、長壱寸八分ノ立像ナリ、神刀壱振云々。

大室権現(久保ニアリ。) 大室権現(大渡ニアリ。) 同(月夜野ニアリ。) 社地百坪云々。祠官佐藤権太夫。大室ハ山ノ名ニテ本村(道志村)ノ東南ニアリ、高山ニシテ富士ノ東面ヲ蔽ヘリ、故ニ武蔵ニテ之ヲ富士隠ト云。