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マーカス・ショーとレビューしききょういく
マーカス・ショーとレビュー式教育
寺田 寅彦
「中央公論」1934(昭和9)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,879 字 · 18 页
レビュー式でも本当に面白いレビューならまだしも、さっぱり面白くない百景を並べたのでは全く生徒が可愛相である。結局は物理学そのものが嫌いになるだけであろう。
レビュー見学のノートから脱線してつい平生胸に溜まっていた教科書の不平をこぼしてしまったが、こういう脱線もまた一つのレビュー的随感録の一様式中の一景として読者の寛容を願いたいと思う。
政府の統制の下に組織された教育のプログラムがレビュー式であるくらいだから、民間の営利機関の手に成る大衆向けの教育機関であるところの雑誌や新聞のレビュー式ないしは汽車弁当式であることは当然である。たまたまレビュー式でない雑誌はあるが、そういうのは特別な関係の誌友類似の予約講読者のあるものに限るので、一般大衆を相手にするものは出来るだけレビュー式編輯法を採らなければ経営が困難だということである。誠に尤もな次第と思われる。
一体レビュー式ということには何もそれ自身に悪い意味は少しもないはずである。善用すればむしろ非常に好い効果をあげ得べき可能性を多分にもっているものである。
近頃ある薬学者に聞いた話であるが、薬を盛るのに、例えば純粋な下剤だけを用いると、どうも結果は工合よく行かない、しかし下剤とは反対の効果を生じるような収斂剤を交ぜて施用すると大変工合がよいそうである。