轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

メーデーにうたう

メーデーに歌う

宮本 百合子

「働く婦人」二号、日本民主主義文化連盟、1946(昭和21)年6月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,915 字 · 8 页

青空文庫

理解し実行するなら、保守の力はしりぞけられ、日本もやがては働く人民の幸福ある国となる、その端緒は開かれたということではないだろうか。今度の第十七回メーデーはそれが只十一年ぶりの行事だという以上に、わたし達の心を高鳴らせるつよい理由があるのである。

のびのびとラジオから流れるメーデーの歌のメロディーをきいていると、わたしの目の前には、十余年前のメーデーの日の光景がまざまざと浮んで来た。

その年の五月一日は割合曇って、風の寒いような日であった。私たちは江戸橋のそばに佇んで、昭和通りを上野公園に向って行進して来るメーデーの行列を迎えた。行進して来る組合の人々は互にぎっちり腕を組み合って、組合旗を守り、元気よいというよりも気のたった大声をはりあげメーデーの歌をうたいつつ、ゆっくり進むかと思うと、腕を組み合ったまま急にかけだして、途切れそうになる行列をつないで、進んでゆく。前方を見ると、行列は顎紐をかけゲートルを巻いた警官の黒い群に雪崩れこまれ、警官が列の中から検束しようとする同志を守ってかたまりとなり、大揉みに揉んでいる。がんばれーッ――ひっこぬかれるなッ! そういう怒声もきこえる。