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メーデーにうたう

メーデーに歌う

宮本 百合子

「働く婦人」二号、日本民主主義文化連盟、1946(昭和21)年6月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,915 字 · 8 页

青空文庫

苦しい、荒々しいメーデーであるから、婦人の参加は、割合少なかった。それでも、千を越す婦人労働者が加わっていた。やはり腕を組み合わせ、一生懸命な眉をあげて歌いつつ、それらの人々は時々警官と小ぜり合いしながら進んで行くのであった。

今年は、どんなメーデーだろう。ラジオはメーデー歌を放送し、インターナショナルを歌い、新聞は、行進の順路を発表した。メーデー準備は、全勤労者の統一メーデーとして進められているのであった。

五月一日の朝があけてみると、東京は小雨がおちて、風も相当にある。うちでは、一人が前日から徹夜でメーデー準備をやって、六時すぎ帰って来た。その人を加えて三人の男たちが、行進の身仕度で、握り飯をもってでかけた。二人は八王子市のメーデーに行くのであった。

残念なことに、体の工合がよくなくて私は行進に加わることはできない。けれども、時刻を見はからって、東京駅の横から日本橋へでる街角へ行った。

ちょうど、もう行進がはじまっている。宮城前広場から、ここを通って上野へ行くのは、城東地区の組合である。隊伍堂々とプラカードをかかげて、パラパラおちる雨をものともせず歌いながら行進してくる。