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ヤミろんご

ヤミ論語

坂口 安吾

「世界日報 第五五二号~第六九二号」1948(昭和23)年2月23日~7月12日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,308 字 · 36 页

青空文庫

だから、それに苦しめられても、それが新しい血になってもいた。だから又、死ななくとも、よかった。それを新しい血にすればよかったのである。

自殺などは、そッと、そのままにしておいてやるがいい。作品が全てなのだから。まして、情死などと、そんなことは、どうだっていいことである。

僕はまだ彼の遺作を読んでいないから分らないが、今まで発表された小説の中では、スタコラサッチャン(死んだ女に太宰がつけていたアダナ)を題材にしたものはないようだ。だから、未完了のうちに死んだか、書く意味がなかったか、どちらにしても、作家としての太宰にとって、その女が大きな問題でなかったことは明かである。

昨日、某新聞が、太宰が生きていて僕がかくまっていると云って、僕を終日追跡。ソソッカシイ新聞があるものである。

文学の社会的責任と抗議の在り方

私が本欄に書いた「応援団とダラク書生」に明治大学の応援団長から六月二十日の世界日報紙上に抗議文が寄せられた。

別段筆者に謝罪を要求するというような性質のものではなく、ただ応援団と明大学生自治運動の在り方について弁明し、あわせて筆者の文学を応援団的に批判したものであるから、私はそれに弁明も反駁も加えようとは思わない。