轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ヤミろんご

ヤミ論語

坂口 安吾

「世界日報 第五五二号~第六九二号」1948(昭和23)年2月23日~7月12日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,308 字 · 36 页

青空文庫

今後もあることだから、この一事は明確にする必要があると私は思う。

こりることの必要について

福井の地震で、大被害を蒙った。地域は異っても、地震の被害は殆ど年々のことである。これを天災と称したのは昔はそれで当然であるが、その対策の分明している文化国で、これを天災とするのは分らない。

黄河という河は、堤を築くだけでは必ず洪水の起る河である。流れが黄土を運んで年々一メートルぐらい堆積するから、早くて十年、おそくて二十年ぐらいで川底が堤より高くなって洪水となる。

だから堤を築くだけではダメのことが分りきっていても、ほかに手段を施さず、これを天災とみる。人間がふえすぎるから、洪水のたびに五十万ぐらいずつ死んで、これが天意の人口調節だという名論が、千年も前からハバをきかしている有様である。

必要は発明の母と云い、禍を転じて福となす、災害にこりる、こりるということは大切なことだ。こりないことは、罪悪だと私は思っている。

日本人は地震にこりないのである。近頃の有様では、殆ど戦争にも、こりていないようである。

禍いを利用する、なんでも利用して、より良くしようとする心構えは、文明の母胎であるが、それには、先ず、こりることが第一だ。