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ヨーロッパてきせいかく ニッポンてきせいかく

ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格

坂口 安吾

「歴史小説 創刊号、第一巻第二号」1948(昭和23)年10月1日、11月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,123 字 · 33 页

青空文庫

であります。その商人から紹介状をもらって、港へ出かけたのですが、ポルトガルの船が二艘来ておりました。この二艘の船の船長は、フランシスコ・ザヴィエルを非常に尊敬していたのでありました。

船長は弥次郎の話を聴きまして、大いに同情を催したのであります。船長は、弥次郎をザヴィエルに紹介してやろうというので、船へ乗せて、マラッカへ連れて参りました。

弥次郎はザヴィエルに会いまして、その人格に傾倒したのでありますが、ザヴィエルのほうでも、弥次郎を見ましたところが、今まで眼の前に見ていた熱帯の土人には見ることの出来ない知識、記憶力、礼儀正しさ、を認めただけでなく、その上にいつまでも何かを知ろうとする真面目な努力のひらめきがあることが分りましたので、ニッポン人という人間がこのような人種であるのならば、このニッポンこそは、自分の伝道すべき地域であると考えたのでありました。ザヴィエルは、この弥次郎という人間が、実にどうも誠心誠意キリストの教えを守るので、とても吃驚りしたのであります。彼は弥次郎を、インドのゴアという所にあるキリスト教の学校へやって勉強をさせたのでありましたが、弥次郎はもともとポルトガル人の友だちを持っていましたし、ゴアへ参りましても、普通のニッポン人にくらべますと驚くべきほど早く、たちまちにしてポルトガル語