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ヨーロッパてきせいかく ニッポンてきせいかく
ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格
「歴史小説 創刊号、第一巻第二号」1948(昭和23)年10月1日、11月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,123 字 · 33 页
従ってニッポンの仏教についてなども何も知らない、無知そのものでありましたので、ザヴィエルが非常にがっかりしたということが、ザヴィエル自身の書簡のなかに書かれておるのであります。ところで、問題がひとたび貿易に関係して参りますと、この弥次郎が実に正確な知識を持っているのであります。このことから判断してみまして、彼が多分商人の出であったろうということが分るのであります。年は三十五、六歳であったということであります。
思うにこの人物は、非常に世慣れた遊び人でありまして、いろいろと変った境遇に順応することの出来る処世の術を、かなりよく心得ておったのだろうと思うのであります。ですから、郷に入ったら郷に従えというわけで、ザヴィエルに会いますと、彼はこの教父に順応するために多いに努めたのでしょう。また、彼がザヴィエルに傾倒したというのは、本当のことであろうと思いますが、それは、人を殺すぐらいの人間というものは、非常に人に惚れっぽいのでありまして、その点からしても彼がザヴィエルに参ったろうということは肯けるのであります。弥次郎は、キリスト教の教えのなかで何に一番感動したかと申しますと、それはキリスト受難に対してなのでありまして、思うにこの男は一種のボヘミアン的の性格を持っていたに違いないのであります。