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ヨーロッパてきせいかく ニッポンてきせいかく

ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格

坂口 安吾

「歴史小説 創刊号、第一巻第二号」1948(昭和23)年10月1日、11月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,123 字 · 33 页

青空文庫

弥次郎は、非常に遊び人的な風格を持った人間でありますから、そういう船乗の生活というものがニッポン人に反撥されるということは、非常によく、実感をもって、知っておったのだと思われるのであります。

この弥次郎に伴われまして、フランシスコ・ザヴィエルはニッポンに参ったのでありますが、ニッポン人は大歓迎をいたしたのでありまして、初めのうちは押すな押すなの繁昌というわけであります。何しろ七人ほど黒ん坊を一緒に連れて参りましたので、その黒ん坊を大変珍らしがってニッポン人が押しかけました。

サツマの殿様の島津さんに謁見いたしまして、布教の許可を受けることができました。この時にザヴィエルが、鹿児島のフクソウ寺のニンジという高僧と友だちになりました。このフクソウ寺というのは、鹿児島の島津家の菩提寺だそうで、当時百人ほどの禅僧がおったと申しますから、非常に大きなお寺、サツマで最大のお寺であり、そこのニンジという禅僧は、サツマきっての傑僧であったのだと思います。

ザヴィエルは、このお寺を借りまして、キリスト教の説教を始めました。

フランシスコ・ザヴィエルは、フクソウ寺の傑僧ニンジと、毎日のように顔を合せていますし、いろいろなことで友達になったのでありますが、ニンジとは種々の話題をつかまえて話をしておりまして、それが記録みたいな