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リズムのこうぞう

リズムの構造

中井 正一

「美・批評」1932(昭和7)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,957 字 · 16 页

青空文庫

スポーツでストロークと称するものはあきらかにかかるリズムの深い構造に邂逅する。テニスでは一打であり、ボートでは一漕ぎである。しかもそれがすべて一刻一刻の全生命を意味するのである。一つ一つの跳躍を意味する。それは単に拍子をもってしては解きがたきものが内在する。一ストローク一ストロークの内に真に「内」を見いだしうる無限境がある。そこにこそ深いリズムの内的構造があると考えられる。

かくて、ここではリズムの原始構造である呼吸、歩行、脈搏などのものが単なる拍子としての時計的時間構造をのがれて、むしろ量的なるものの質化への方向をたどって、新しき解釈の領域にその形態をととのえる。和歌、俳句のリズムはかかる意味において捉えらるべきである。そのもつ呼吸はすでに肺を越えている。

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こうした存在論的解釈とさきの数学的解釈の二つのものの根底には、深く考察することによって、ルネッサンスの主知主義と、それに次いであらわれたバロックの主情主義の二つのものの契機をそこに見いださしめるがようである。宗教の暗黒の中より、自我を発見せしめしものは自然であり、科学であった。理性がそれの導火線となった。