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ルルとミミ

ルルとミミ

とだ けん

「九州日報」1926(大正15)年3~4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,628 字 · 24 页

青空文庫

その時にルルは、今までにない美しい御殿の様子に気が付きました。

御殿の大広間は夜光虫の薄紫の光りで夢のように照らされておりました。広い広い部屋一パイに飾られた水艸の白い花は、ほのかな香いを一面にただよわせておりました。

その中に群あつまる何万とも何億とも知れぬ魚の数々。その奥の奥に見える紫水晶の階段。その上に立っていられる女王様のお姿。

そうして今一人の美しい女の子の姿……ミミ……。

ルルは思わず壇の上に駈け上ってミミを抱きました。ミミもしっかりとルルの首に獅噛み付きました。

今まで虹のようにジッと並んでいた数限りない魚の群は、この時ゆらゆらと動き出しました。青、赤、紫、緑、黄色、銀色、銅色、黄金色と、とりどり様々の色をした魚が、同じ色同志に行列を作って、縞のようになったり、渦のようになったりしました。又は花の形を作ったり、鳥の形を作って見せたり、はては皆一時に入り乱れて、一つ一つに輝きひるがえる美しさ。その間を飛びちがい入り乱れる数知れぬ夜光虫の光り。それは世界中が金襴になって踊り出すかのようでした。

ルルとミミは抱き合ったまま、夢のように見とれていました。