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ロボットとベッドのじゅうりょう
ロボットとベッドの重量
直木 三十五
「新青年」博文館、1931(昭和6)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,963 字 · 18 页
」
と、呟いた。
三
夫人は、和服で、膝を重ねていた。絨氈の上に、長襦袢の裾が、垂れていた。クッションの中へ、埋まって、煙草を喫いながら、
「そりゃ、愛してるわ。」
男を、そういって、ちらっと見て、男の眼の微笑を見ると同時に、
「正確にいうと、愛していた、だわ」
「病気になったり、愛されなくなったり――二重に不幸ですね。」
「自ら招いた責任よ。夫の資格が、半分無くなっているのに、妾にだけ、同じでいろなんて、不合理よ。」
男は、左手を、椅子の後方へ廻して、夫人の、頸を抱いた。夫人は、煙を、男の顔へ、吹っかけて、
「その代り、癒れば、元々どおりに、愛してやってもいいわ。」
「僕は、どう成るんです、その時――」
「判らない。」
「二つの場合がありますね。」
「そうよ。」
夫人は、そういって、重ねている左脚の先で、男の、靴を押した。
「一つはさよなら、一つはこのまま。」
「そうよ。」
「一体、どっちなんです。」
「そんな事、今から考えてどうするの。」
「だって、僕にとっては、重要問題です。」
「さよなら、をすると、いったら、現在の状態が、変化する?」
「いくらか――」
「気持の上で。