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ウィタ・セクスアリス
ヰタ・セクスアリス
「昴」1909(明治42)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,941 字 · 119 页
それがこの時から直ったのである。こんな譬は、誰かが何処かで、とっくに云っているだろうが、僕は騎士として dub を受けたのである。
この事があってから、当分の間は、お母様が常に無い注意を僕の上に加えられるようであった。察するに、世間で好く云う病附ということがありはすまいかとお思なすったのだろう。それは杞憂であった。
僕が若し事実を書かないのなら、僕は吉原という処へ往ったのがこれ切だと云いたい。しかし少しも偽らずに書こうと云うには、ここに書き添えて置かねばならない事がある。それはずっと後であった。僕は一度妻を迎えて、その妻に亡くなられて、二度目の妻をまだ迎えずにいた時であった。或る秋の夕方、古賀が僕の今の内へ遊びに来た。帰り掛に上野辺まで一しょに行こうということになった。さて門を出掛けると、三枝という男が来合せた。僕の縁家のもので、古賀をも知っているから、一しょに来ようと云う。そこで三人は青石横町の伊予紋で夕飯を食う。三枝は下情に通じているのが自慢の男で、これから吉原の面白い処を見せてくれようと云い出す。これは僕が鰥だというので、余りお察しの好過ぎたのかも知れない。