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せんきゅうひゃくさんじゅうにねんのはる
一九三二年の春
宮本 百合子
「改造」(はじめの約15枚分)1932(昭和7)年8月号、「プロレタリア文学」(残りを追加して再掲)1933(昭和8)年1~2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,942 字 · 44 页
自信のあるみんなの物ごしが自分に感銘を与えた。ソヴェト同盟にいた頃、よく工場で婦人労働者たちの間に交り、喋った。そこの若い婦人労働者たちが示したと同じ性質の注意力、知識慾、階級闘争の実践への吸収力を下諏訪の文学サークルの女工さん達から感じたのであった。彼女らの実質的な明るさは注目に価した。
「働く婦人」はこのサークルでも好評で、重宝ノートなども実際の役に立てられていることが分った。例えば自分の袖口にリボンをつけて切れるのをふせぐという狭い範囲での利用ばかりでなく、一人の女工さんがそんな細工をしていると、ふらりと来かかった他の一人が「何してるの」というようなことになり、「それはこの雑誌に出ているのよ」と「働く婦人」が見せられる。そんな工合に利用されるのであった。サークルからニュースを出すことがそこで決定され、「働く婦人」への通信員も婦人から二人きめられた。
今日は、下諏訪から満州へ出征させられて戦死した兵士の遺骨が到着したので、青年団の連中は停車場前の奉迎に強制動員されたのだそうだ。
「ここへ来る前塩尻が本籍地だって云うのでもう一度そっちで奉迎やって来たずら。