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ひとつぼかん

一坪館

海野 十三

未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,902 字 · 56 页

青空文庫

ぼくが家をつくり、君に番をしてもらうんだから」

「ほんとにヘーイさんは三階に住むんですか」

「ベッドを一つおきたいね」

「それは、いいですけれど、全部でたった一坪ですよ。ヘーイさんのそんな長いからだが、のるようなベッドがおけるかしら」

「心配しないでいいよ、君は……」

一坪館開店

すばらしい四角な塔のような建物がたった。

近所の人たちはおどろいた。なにしろ自分たちの家は平家が多く、たまに天井の低い二階家があるくらいだった。

ところが源一の新築した建物は、雲にそびえているようにみえるほど高かった。地上から三階建であるが、各階ともに天井が高くとってあるのですばらしく高い。したがって外から見ると、どうしても塔に見える。その塔は近所の家をすっかり見下ろしている。いや、銀座界隈を見下ろしているといった方がいいだろう。

全体はクリーム色にあかるく仕上げられた。屋根には緑色の瓦がおかれた。

銀座を通る人々は、誰もみんな、この新しい塔の建物に目をむけた。

屋根に近いところに、モザイクで、赤バラの花一輪がはめられると、この建物は盛装をこらした花嫁さんのようになった。

「すばらしい塔をこしらえたもんだ。