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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
「新青年」1934(昭和9)年9、10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,806 字 · 87 页
第一それはネ、あたしと双生児のその相手というのは、あんたみたいに男ではなくて、女だと信じているわ。つまりこうなのよ。あたしが小さいとき、その双生児の寝ている座敷牢のようなところへ行ったときに、その子は頭髪に赤いリボンをつけていたのをハッキリ憶えているのよ。赤いリボンをつけているんだから、きっとその子は女に違いないと思うわ」
「しかし僕は、長いこと女の子にされてしまって海盤車娘というやつをやっていました。女といえば女じゃありませんか」
「さあ、それは違うでしょう。あんたが女の子に化けたのは八九歳から後のことでしょう。興行師の手に渡ってから、都合のよい女の子にされちまったんじゃありませんか。あたしの憶えているのはずっと幼い五六歳のころのことです。その頃のあたしはちゃんと父母の手で育てられていたので、男の子を特別に女の子にして育てるというようなことはなかったと思うわ」
「そうでしょうかしら」
と真一は物悲しげに唇を曲げた。
「それにサ、世間をみても双生児には男同志とか女同志とかが多いじゃないこと。そしてさっきからあんたの顔を見ているのだけれど、あんたとあたしとはまるで顔形も違っていれば、身体のつきも全然違っているように思うわ。