轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
「新青年」1934(昭和9)年9、10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,806 字 · 87 页
「ああそうだったの。気の毒だったわネ。でも、脚を挫いているのなら夢遊でも外は歩けないのじゃない」
「いえそれはこうなんですの。夢遊病者は、たとえ足が悪くても、そのときは歩けるのですから不思議ですわ」
静枝の答は一々明快だった。まだ聞きたいことが沢山あったがあまり尋ねては折角巡逢った同胞のことを変に疑うようで悪いと思ったので、もう一つだけ重大なことを尋ねた。
「あの、『三人の双生児』とお父さまがお書き遺しになった言葉ね、あれはどういう意味でしょうね。あなたと妾とだけでは二人の双生児で、三人ではありませんものネ」
「ええあれはお父さまのユーモアであったんですわ。つまりお産の褥の上には、お姉さまとあたくしとの二人の嬰児と、それからお産を済ませたばかりのお母アさまと、都合三人で枕を並べて寝ていたのを御覧になって三人の双生児とお書きになったんですわ」
「アラいやだ。そんなことだったの」
妾は、このいままで重大視していた「三人の双生児」の謎が意外も意外、あまりにも明快にスラリと解けたので、滑稽でもあり、気ぬけもして、暫くは笑いが停まらなかった。実にそんなことであったのか。