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さんにんのひゃくしょう
三人の百姓
秋田 雨雀
「婦人公論」1920(大正9)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,876 字 · 12 页
二人は喧嘩をしたかと思うと仲直りをし、仲直りをしたかと思うと、また喧嘩をしました。
村の人たちには、どうしてあんなに仲の好かった伊作と多助が、こんな喧嘩をするようになったのか誰も知りませんでした。
朝太郎が四歳になった秋の初めに、城下から代官様が大勢の家来に空駕籠を護らせて、この淋しい村へやって来ました。村の人たちは胆をつぶして行列を見ていました。すると代官様の一行は、庄屋長左衛門の家にどやどやと入りました。庄屋は顔を真青にして代官様の前に出ました。
「まだ紅葉にはお早ようございますが、一体どういう御用でおいでなさいましたか、どうぞ御用を仰せつけてください。」
と庄屋は畳に頭をつけて挨拶しました。すると、代官様は笑って、
「実は、今日は妙な相談があって来たのだが、相談にのってくれるだろうかね?」
と言いました。長左衛門は、益々恐縮して、
「これは誠に恐れ入ります。御代官様の御相談ならばどんなことでも御相手になりましょう。どうか何んなりと仰せつけください。」
と言いました。
「早速だが、この村に朝太郎という男の子がいるそうだが、その子供を貰い受ける訳には行かないだろうか?」