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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 页

青空文庫

わしは、江戸へ戻るぞ。そして兵学の道場を開いて、天下に向うのだ。廃れたる世なりと雖も、一人や、二人の義人はあろう。それでいい、一人もいなくとも、平山先生が在そう」

「私もいささか――」

「お身も時世に逆っているが、誠心は、いつの世にか知己のあるものじゃ。明日、早朝、江戸へ立とう」

大作は、薄暗い燭台の灯を、半顔に受けて、じっと、天井を睨んでいた。

「越中守を討取っても、改易にならんのか」

「檜山横領を、黙認する位、当然で御座りますな」

「この噂が、世上へ拡まった時、人民は、何う思うか? 私欲のために、天下の法を曲げて徳川の代も末遠くないぞ。良輔」

「はい」

「臥るがよい」

大作は、腕組したまま、いつものように端坐して、眼を閉じた。

十七

「然し先生」

良輔は、声をかけたが、大作、黙ったままであった。暫くしてから、もう一度

「手前当代の津軽を討とうと存じますが」

大作は、眼を閉じたまま

「討てるか」

「一人を討っただけで、捕われるのも残念に思いますから、先生が、お手を下されないなら、手前討とうと存じます」

「討てるか」

「短銃で、討てようと思います」

「それもいい。相馬大作が、二人現れてはおもしろかろう」