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さんじゅうねんごのせかい

三十年後の世界

海野 十三

「少年読売」1948(昭和23)年3~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页

青空文庫

ですから、あの怪魚は、地球の魚よりも頭脳が発達していると思うんです。

しかしぼくは、あんな魚よりも、火星人にあいたいのです。隊長さん。火星人探検には、いつお出かけになりますか」

正吉は、思っていることを、ぶちまけた。

「火星にわれわれ人間以上の高等な生物が住んでいるというのは、伝説にすぎないのではないかね。ねえ、カンノ君」

マルモ隊長は、かたわらのカンノ博士をふりかえった。

「そうです。私もそう思います。たとえ火星人というものが住んでいるにせよ、われわれ地球人類よりは下等なものであろうと思いますね」

カンノ博士は神秘な火星人説を信じないと明言した。

「おやおや、それでは、せっかく火星人と仲よしになって握手しようと思って来たのに、がっかりしちまったなあ」

正吉は、ほんとにがっかりした。するとカンノ博士が、正吉を元気づけるようにいった。

「しかし君がさっき見た他の中の怪魚は、たいへん興味がある生物だ。おそらくそれが、火星に住んでいる一番高等な生物ではないかと思うね。先年ガーナー博士がテレビジョン装置をつんだ無人ロケットを飛ばし、火星の上空から三週間観測したが、そのときの報告に、「水中にやや高等なる動物がいるらしい。