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さんじゅうねんごのせかい

三十年後の世界

海野 十三

「少年読売」1948(昭和23)年3~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页

青空文庫

カンノ博士や正吉たちをとりまいて、感謝のことばをおくった。

「あんなおもしろいことは、今までになかったですよ。あいつらは、今もなお、お灸をからだにくっつけて、『あつい、あつい』と悲鳴を挙げているんだと思うと、おかしくておかしくて……」

そういって笑いこける正吉少年だった。

みんなも笑った。

「熱弾が、こんなところで最初の手がらをたてようとは、思わなかったねえ」

と、この熱弾機銃の発明者であるカンノ博士も、にやにや笑っていた。

「さあ、急いでここを引揚げよう。ああいう敵があると分ればぐずぐずしていられない。みんな急いで装甲車へ乗れ。そして急ぎ本艇へかえるのだ」

マルモ隊長は、引揚げを号令した。

掘りだしたルナビゥムは、必要量の三分の一にすぎなかったが、今はそれでがまんするほかなかった。一同は前のとおり装甲車に分乗し、急いでトロイ谷をはなれた。

一号車の中で、マルモ隊長を中にして、カンノ博士などの幹部や正吉が、今日とつぜん現われた怪しい相手について、意見をのべあった。

「地球をくいつめた強盗団の一味ではないでしょうか」

「彼らはみんなばかに力が強かったですよ。