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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

三四郎は敬服した。

台所から下女が茶を持って来る。籃を取り巻いた連中は、サンドイッチを食い出した。少しのあいだは静かであったが、思い出したように与次郎がまた広田先生に話しかけた。

「先生、ついでだからちょっと聞いておきますがさっきのなんとかベーンですね」

「アフラ・ベーンか」

「ぜんたいなんです、そのアフラ・ベーンというのは」

「英国の閨秀作家だ。十七世紀の」

「十七世紀は古すぎる。雑誌の材料にゃなりませんね」

「古い。しかし職業として小説に従事したはじめての女だから、それで有名だ」

「有名じゃ困るな。もう少し伺っておこう。どんなものを書いたんですか」

「ぼくはオルノーコという小説を読んだだけだが、小川さん、そういう名の小説が全集のうちにあったでしょう」

三四郎はきれいに忘れている。先生にその梗概を聞いてみると、オルノーコという黒ん坊の王族が英国の船長にだまされて、奴隷に売られて、非常に難儀をする事が書いてあるのだそうだ。しかもこれは作家の実見譚だとして後世に信ぜられているという話である。

「おもしろいな。里見さん、どうです、一つオルノーコでも書いちゃあ」と与次郎はまた美禰子の方へ向かった。