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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

「まだ出そうもないのですかね」と言いながら、今行き過ぎた西洋の夫婦をちょいと見て、

「ああ美しい」と小声に言って、すぐに生欠伸をした。三四郎は自分がいかにもいなか者らしいのに気がついて、さっそく首を引き込めて、着座した。男もつづいて席に返った。そうして、

「どうも西洋人は美しいですね」と言った。

三四郎はべつだんの答も出ないのでただはあと受けて笑っていた。すると髭の男は、

「お互いは哀れだなあ」と言い出した。「こんな顔をして、こんなに弱っていては、いくら日露戦争に勝って、一等国になってもだめですね。もっとも建物を見ても、庭園を見ても、いずれも顔相応のところだが、――あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自然に昔からあったものなんだからしかたがない。我々がこしらえたものじゃない」と言ってまたにやにや笑っている。三四郎は日露戦争以後こんな人間に出会うとは思いもよらなかった。どうも日本人じゃないような気がする。

「しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう」