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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

女はこう言い捨てて心持ちよく笑った。まだ行きたい所がないにきまっている。

三四郎はその日から四日ほど床を離れなかった。五日目にこわごわながら湯にはいって、鏡を見た。亡者の相がある。思い切って床屋へ行った。そのあくる日は日曜である。

朝飯後、シャツを重ねて、外套を着て、寒くないようにして美禰子の家へ行った。玄関によし子が立って、今沓脱へ降りようとしている。今兄の所へ行くところだと言う。美禰子はいない。三四郎はいっしょに表へ出た。

「もうすっかりいいんですか」

「ありがとう。もう直りました。――里見さんはどこへ行ったんですか」

「にいさん?」

「いいえ、美禰子さんです」

「美禰子さんは会堂」

美禰子の会堂へ行くことは、はじめて聞いた。どこの会堂か教えてもらって、三四郎はよし子に別れた。横町を三つほど曲がると、すぐ前へ出た。三四郎はまったく耶蘇教に縁のない男である。会堂の中はのぞいて見たこともない。前へ立って、建物をながめた。説教の掲示を読んだ。鉄柵の所を行ったり来たりした。ある時は寄りかかってみた。三四郎はともかくもして、美禰子の出てくるのを待つつもりである。