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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

――批評家である。――三四郎は妙な意味に批評家という字を使ってみた。使ってみて自分でうまいと感心した。のみならず自分も批評家として、未来に存在しようかとまで考えだした。あのすごい死顔を見るとこんな気も起こる。

三四郎は部屋のすみにあるテーブルと、テーブルの前にある椅子と、椅子の横にある本箱と、その本箱の中に行儀よく並べてある洋書を見回して、この静かな書斎の主人は、あの批評家と同じく無事で幸福であると思った。――光線の圧力を研究するために、女を轢死させることはあるまい。主人の妹は病気である。けれども兄の作った病気ではない。みずからかかった病気である。などとそれからそれへと頭が移ってゆくうちに、十一時になった。中野行の電車はもう来ない。あるいは病気が悪いので帰らないのかしらと、また心配になる。ところへ野々宮から電報が来た。妹無事、あす朝帰るとあった。

安心して床にはいったが、三四郎の夢はすこぶる危険であった。――轢死を企てた女は、野々宮に関係のある女で、野々宮はそれと知って家へ帰って来ない。ただ三四郎を安心させるために電報だけ掛けた。妹無事とあるのは偽りで、今夜轢死のあった時刻に妹も死んでしまった。