轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
忍術千一夜 第二話
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,990 字 · 58 页
こう諭告をくれてまわった。――その一方、筆頭与力の蓑賀殿はその役所に於って一人の客と対談していた。まぎれもない、かの大阪のさる富商の手代である。彼は倉出し証書をそこへ置いて、蓑賀殿を執達吏のごとく追求している、「これは騙りですな、詐偽ですな」こういきまく、「どの店にも品物はありません、倉という倉はがらがらです、私は断言しますが、――」などと云っている。
「手違いです、ほんのちょっとした手違いです」参蔵殿はうろうろ手文庫の中をかきまわしておられる、「お知らせしようと思ったのだが、待ってください、荷はあるんです、たいへんな物資です、船荷証券、菱垣船の和忠の振り出しです、はてどこへいったか、待ってください、きっとびっくりするでしょう、もうすぐです」
同じとき持木屋の店先でも悶着が起こっていた。田丸屋益造、折屋伝内、水尾割助など五人の旦那が、それぞれ額面壱万両の持木屋の手形を出して「すぐ現金に替えてもらいたい」と請求したのだ。寝耳に水だ、がよろしい払いましょう、持木屋の手形は慶長大判と同じ信用がある。千両箱が運び出された、ところで商人ほどみみっちく要慎ぶかいものはない、「念のために拝見しますよ」