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じょうしゅうのこずとさんめい

上州の古図と山名

木暮 理太郎

「山岳」1923(大正12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,311 字 · 13 页

青空文庫

を引用することにした。

先ず浅間山附近から始めることにする。浅間の西に水の塔というのがある。『信府統記』には「水のとう、みつをね嶺、両所共に上野国にても同名」と記されているが、これは湯ノ平の西に在る二千四百五米の隆起を指したもので、両者の区別は判然していないようである。五万の地図には之を浅間黒斑山とし、側に(三ツ尾根山)と註してある。或は水ノ塔は湯の平の北方に在る二千三百十九米の三角点ある隆起をいうたものであるかも知れぬ。自分は曾てこれに就て土地の人に尋ねて見たがよく分らなかった。『郡村誌』田代村の書上には「東南ニ浅間、三ツ尾根、水ノトウ、駕籠ノトウヲ負ヒ」と書いてある。横笹山は上州で籠ノ塔と呼ぶ山に対する信州の名であるから、信州側に置く可きを誤って上州側に入れたのであろう。地蔵反は地蔵のそりと読むので、そりは鞍部を指していう言葉であるが、同時に峠道として人の通行することを条件としているらしいことを、曾て土地の人から聞かされたことを覚えているが、これは矢張り甲州には殊に多い「そり」又は「そうり」と同じ意味であろうと思う。附近に在る大ススキ山と小ススキ山は、千九百十五米の三角点ある桟敷山と千九百八十米の小在池山に当っている、そしてコサイケ山とあるのは鍋蓋山らしく思われる。