轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

一~十一、十六「中央公論」1929(昭和4)年11月号、十二~十五(「戦い」の表題で。)「戦記」1929(昭和4)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 69,990 字 · 141 页

青空文庫

がついた。令嬢は本当のランプを見るのが始めてだった。都会のまばゆい電燈になれた眼には暗い。まるで暗い。然しランプの醸し出す雰囲気は、始めて令嬢を喜ばせた。

「素敵だわ!」

小樽や東京にいる友達に、絵ハガキで是非ランプのことは云ってやらなければならないと思った。

日が暮れかかると、小作人がボツボツ集ってきた。土間にムシロを敷いて、高張りの提灯を幾つも立てていた。令嬢を見ると、小作人達は坐り直して、丁寧に挨拶した。教会に通っている令嬢には、百姓は「野にいる羊」のように純真に思われた。父が経営している小樽のS工場の傲慢な職工達とは似てもつかない、と思った。

「それだけ、それだけで終ってしまった」

武田が仲間の二三人と一緒に、少し早目にやって来た。岸野に会って、普段から種々お世話になっている幾分もの御恩報じとして、この機会に自分達で角力大会を開いて御覧に入れたいと思っている、と云った。岸野は滅多になく、顔形をくずして喜んだ。

岸野は上機嫌だった。――庭先の、少し高い所に立って、小作に向って簡単な「訓示」を与えた。そしてすぐ奥に入ってしまった。吉本が是非そうしなければならないと云ってあった。