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ふしぎなるくうかんだんそう
不思議なる空間断層
海野 十三
「ぷろふいる」1935(昭和10)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,651 字 · 30 页
「神妙にしろ!」
警官の服を着ている一隊は、乃公に飛びかかって腕をねじあげた。乃公はいよいよこれから死刑になるのだなと思いながら、いと神妙に手錠をかけられたのであった。それから先は、さっぱり記憶がない。
以上の二つの夢を聞いて、君はどう思うか。なんと不思議な話ではないか。あまりにはっきりしすぎている夢だとは思わないか。
3
静かな冬の朝だった。
陽は高い塀に遮られて見えないが、空はうららかに晴れ渡って、空気はシトロンのように爽かであった。
真白の壁に囲まれた真四角の室の中で、友人の友枝八郎は、また私に例の夢の話のつづきをするのであった。
どうも乃公は、ときどき頭が変になるので困るよ。年齢のせいでもあるまいのに、いろんなことを取り違えて困るのだよ。
このまえ君に、夢の中で同じような人殺しを二度くりかえしてやったことを話したと思うけれど、どこまで話したのかも、第一忘れてしまった。二度目の分は、たしか乃公が刑務所の未決に繋がれてから話したように思うが、たしかそうだったね。
それについてだが、乃公は滑稽な取違えをしていながら、それに気がつかないで、真面目くさって君に話をしたように覚えているがそうではなかったかね。