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うぶやものがたり
与謝野晶子評論集
与謝野 晶子
与謝野晶子『与謝野晶子評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:産屋物語、「女らしさ」とは何か、婦人と思想、女子の独立自営、鏡心灯語 抄、婦人改造と高等教育、私娼の撲滅について、選挙に対する婦人の希望、食糧騒動について、激動の中を行く、婦人も参政権を要求す、婦人改造の基礎的考察、教育の民主主義化を要求す、非人道的な講和条件、階級闘争の彼方へ、婦人指導者への抗議、新婦人協会の請願運動、文化学院の設立について。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,383 字 · 233 页
、その危急のために自衛するに足る物質的必要を満たそうとせずに置きません。窮すれば濫し、飢えては道徳の外に立ちます。知識の修養と倫理的意識の訓練とがある者とない者とでは、自制の力を抛棄するのに遅速はあるでしょうが、どうしても尋常一様のことでは饑餓の危険を避けることが出来ないとすれば、何人も生きようとする意志の不可抗力的妄動のままに、倫理の埒を越えて、もとより重々の遺憾を感じながら、野性を暴露した最後の非常手段を取ろうとします。みすみす一つの活路があるのに、それを知らぬふりして伯夷叔斉を学ぶ者は殆ど今の時代になかろうと思います。
富山県の片田舎に住む漁民の妻女たちが数百人大挙して米一揆を起したのが、偶然とはいえ、この度の騒動の口火となったということは、このたびの騒動の主因を最も好く説明しております。彼らは最も米穀の供給の尠い土地に住み、そうして高価な米を買うことの最も困難な境遇にいて、この一両年間、絶えず日々の食糧に苦心を払い、殊に最近三カ月以来は米価の可速度的な暴騰につれて減食の苦痛を続け、最後に一升五十銭を越すという絶体絶命の窮境に追い詰められ、饑餓と死の間に挟まるに及んで、恥も道徳も忘れた(忘れざるを得なかった)最後の非常手段を取るに到りました。