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おかのどうぞう
丘の銅像
「新美南吉童話全集第一巻 ごんぎつね」大日本図書、1960(昭和35)年6月20日初版発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,087 字 · 17 页
ながい年月がたちました。
ハンスの生きていたころ、まだ、ほんのあかんぼうだった人たちが、今はもう、かみの毛が雪のように白くなって、まごたちのおもりをしていました。まごたちのおもりをしながら、ハンスがつくった子守歌をうたっていました。まごたちが「むかしばなし」をせがむと、その老人たちは、ハンスの話をして聞かせるのでした。
それからまた、ながい年月がたちました。もう村には、ハンスのことを知ってる人は、なくなってしまいました。けれど、丘の上にはまだ、ハンスの銅像が村のほうを見おろして、ほほえみながら立っていました。
ある日、村の百しょうがひとり、教会へいって牧師さまに、こうたずねました。
「丘の上に立ってござらっしゃるお方は、いったい、どなたでござんしょう。」
すると年とった牧師さまは、
「あれはハンスといってな、わしのおじいさまのおじいさまが生きてござらっしゃったときより、もっといぜんに、村に住んでいらっしゃった、えらい詩人じゃ。」
と、答えました。
そのころ、その国では、わるい伝染病がはやっていました。伝染病は丘の下のうつくしい村へも、くろい大きな鳥のかげのように、やってきました。