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りょうりん
両輪
宮本 百合子
創造と評論活動の問題
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,550 字 · 17 页
プロレタリア作家は、日本の社会の歴史とともに階級的に成長しなければならなかったのだから。極端な暴圧とたたかい自身の恐怖を克服しながら――。
プロレタリア文学運動で、はじめて日本の作家の一部がこれまでの小説をかくこつや文学のかん以外の客観的なところに自身の創作理論をもつことができるようになった。作家が評論風な執筆をする能力をもってきた。これは、感性的・主観的にだけ流れてきていた日本の現代文学史の中で注目される一齣である。そして最も興味あることは、この現象が一人の作家の上に、大きい矛盾としてさえあらわれたことである。たとえば、わたしのように、文学における階級性の問題などまったく知らずに書きはじめた作家が、プロレタリア文学運動に参加したとき、理論的な大すじについての理解と創作活動の実践にくいちがいをおかした。理論めいたことについて、理解が素朴であるだけにむしろ極端に強硬だが、創作は正直に自身の新しい生活経験の蓄積の貧寒さをあらわして、ろくな小説一つもかけないという、当人にとって苦しく、文学史的には興味つきない時期をももたらしたりした。
今日、民主主義文学の運動のなかで、理論的活動と創作活動との統一、有機的な協力は、いっそう重要になってきている。