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『せっかずせつ』のけんきゅう

中谷宇吉郎集 第二巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『雪華図説』の研究、『雪華図説』の研究後日譚、兎の耳、英国の物理学界と物理学者、温泉1、米粒の中の仏様、清々しさの研究の話、墨色、大謀網、長崎留学、鼠の湯治、民族的記憶の名残、室鰺、雪協議会の報告、真夏の日本海。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 83,098 字 · 172 页

青空文庫

同様なことは、多人数の職工が狭い所で働くような工場についてもいえるのであって、K君は、ある工場に陰イオン発生装置をつけることによって、能率を大いに高めることが出来たと、大分御自慢であった。もっともこれは自慢しても良いことなのであろう。

ところでこういう風に書くと、イオンがすっかり人間の気分だの能率だのを支配するもので、イオンの供給さえ適当にすれば、いつでも人間は、清々しい気分でいられるように見えるかも知れないが、本当は事柄はそう簡単ではないことは勿論である。雨上りの爽快な気分の夕方などに、イオンを測ってみると、大抵陰イオンが多いことはよく知られていることであるが、この時の気分を支配する要素の中には、ハンチントンの説のように、気温の変化による刺戟というようなことも重要な役目をしていることは勿論であろう。ニューイングランド地方では、ある季節には天候の循環がかなり規則正しいそうで、晴天の次に半曇天日が来て、次に暴風がきて、また晴天になるという径路をとって、何回も繰り返されることがある。そういう時に多数の職工について能率を調べてみると、暴風の過ぎ去る時に当った日に著しく能率が上ることが分ったそうである。