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『せっかずせつ』のけんきゅう

中谷宇吉郎集 第二巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『雪華図説』の研究、『雪華図説』の研究後日譚、兎の耳、英国の物理学界と物理学者、温泉1、米粒の中の仏様、清々しさの研究の話、墨色、大謀網、長崎留学、鼠の湯治、民族的記憶の名残、室鰺、雪協議会の報告、真夏の日本海。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 83,098 字 · 172 页

青空文庫

この話の真偽は勿論確かめることは出来ないが、そんなことも有り得ると思われる。私たちも子供の頃、腹を下すと湯や水を禁ぜられた記憶がある。ところが現代の医学では、激しい下痢性の病気では、水分の補給が一番大切であるというのは、常識として教えられていることである。それではまるで、医学が病人を殺したようなものである。しかし、私は科学を商売にしているせいかもしれないが、或る場合には、それも致し方がないという気もする。とにかくもしその時代の医学の最高の知識として、水を飲まさぬことになっていたのなら、それに従うのもまた止むを得ないことであろう。ただ問題は、その時法令を以て水を飲むことを禁じていたら、そのために死んだ人々の親や子たちは、いつまでもその法令を呪うことだろうと思う。

こういう例を白米禁止の譬えに持ち出すのは、少し激しすぎるかも知れないが、猫の説明に虎を持ち出すくらいの譬えにはなるであろう。ところで、こういう風に考えて見ると、結局一番不思議なことは、白米禁止というような大変なことが、白昼本気で、かなり責任の地位にある人々の間で論議されたということである。