轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
よしんちょうしょ
予審調書
平林 初之輔
「新青年」1926(大正15)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,371 字 · 23 页
」
教授の身体の中にまだこれだけ興奮する力がのこっているのが不思議である。
この時、玄関でベルの音がした。判事は女中の取り次ぐのも待たずに席を立って教授にちょっとことわって室を出てゆき、玄関で何やら低声で話していたが、すぐに引き返してきて語りつづけた。
「これはまた意外なことを承わるものですな。御子息の精神に異状があるということは、最初あなたがおっしゃったではありませんか?」
あわれな老人は一言もなくうなだれている。牢獄か癲狂院か、どの道我が子は助からないのだ。彼の頭には陰惨な人生の両極がまざまざと描かれた。暗い考えが夜のように彼の心をとざして来る。彼はおそるおそる口を開いて、まるで腫物にでもさわるように、最後の質問をした。
「ではもう一つだけおたずねしますが、せがれはどのくらいな罪になるでしょう?」
判事は鼠を生け捕った猫が、それを味わうまえに十分弄ぶときのように、ゆっくりと、落ちつきはらって、まるで他人事のように語った。
「そうですなあ、過失罪になればたいしたこともありますまいが、謀殺となると――まあその方が可能性が大きいと見なければなりませんからねエ――謀殺となると、まず、九分通り死刑ですかね。