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にさんのさんめいについて
二、三の山名について
木暮 理太郎
「霧の旅」1928(昭和3)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,599 字 · 57 页
一は木之花開耶姫が御子達を生みます時の伝えが火と関係のあることで、『古事記』に拠れば
戸無き八尋殿を作りて其の殿の内に入り、土を以て塗り塞ぎ、御子達を産みます時に其の殿に火をつけ、其の火の盛に燃ゆる時に生れました御子の名は火照命、次に生れましたのが火須勢理命、其の次に生れましたのが、火遠理命、亦の名は彦火火出見命であつた。
と記してあり、『日本書紀』の伝えも略ぼ同様である。且つ秀麗な富士山の姿は自ら女神を想わしむるものであるから、彼此相俟って木之花開耶姫が火の山の女神として祭られるに至った一の原因であったと思われる。他は富士の裾野に山桜が多く、従って神社の境内に移し植えられて、其の花の盛りが自然と木之花開耶姫を聯想せしめ、祭神と崇められるに至った原因となったものではあるまいか。『続後撰和歌集』に
四月廿日あまりの比駿河富士の社にこもりて侍けるに、桜花さかりにみえければよみ侍ける法印隆弁
富士のねは開ける花のならひにて
猶時しらぬ山さくらかな
とあるのは、此間の消息を語っているものであろう。
近頃になって富士の語原を、同じくアイヌ語ではあるがフチ又はフジではなくして、プシであると説く人もある。