轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

「中央公論」1947(昭和22)年1、3~9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,492 字 · 389 页

青空文庫

和一郎も松浦も、頭をクリクリの一分刈りにして、古びてよごれが光る制服、制帽でいる。そして、ポケットにろくな小銭ももってはいない。けれども、この青年たちとあの三人と、なんと内容のちがう生活だろう。石じき道を垣根について見えなくなって行く三人の生活は、伸子に空虚を感じさせた。駒沢の家へ来た三つのぼうぼう頭とよごれた若い顔々が、それならば、充実した新しい生活を感じさせたかといえば、そこにも張りこの虎めいた空っぽな響があった。

保は、畳廊下においてある洋服ダンスのところでキチンと紺絣の筒袖に着換え、手と顔を洗って、まだ客間にいる伸子のところへ戻って来た。

「きょう、保さん、いそがしいの?」

「そうでもない」

「じゃ夕飯まで話さない? わたしきょうは早くかえるのよ」

「ちょうどいい。僕は夜は少しすることがあるから……」

伸子は、保の仲間がこしらえようとしている雑誌に強い関心があった。

「和一郎さんも中学四年ぐらいのとき、雑誌をやったことがあるのよ、じきやめちゃったけれど。――あなたの、どういう仲間でやるの?」

「ほんの三四人……気のあったものだけでやろうっていうの」

「どんなひとたち?」