轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
「中央公論」1947(昭和22)年1、3~9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,492 字 · 389 页
まともな誰のめにも醜く見える素子を、ああやって囃し、その様子に笑いこけている人たち。それを不愉快に感じるのは、野暮だというこういう世界のしきたり。伸子は、暗いこころで痛烈にその雰囲気を嫌悪した。
「おつまさんが来たら聰太郎さんにたのんで、どっかよそでもてなしましょうよ」
従弟の聰太郎は、東京の支店づめで日本橋のそばの店に来ていた。
「うちでなく……」
「遊びに来たいっていうのに、ことわれないよ」
「ただ遊びに来るだけはいいけれども」
素子は、しばらく伸子の顔を見ていたが、
「そうか」
といった。
「――東京じゃ、自然聰さんがとりもち役になるさ」
おつまさんからの手紙をもって、素子は自分の机の方へ立って行った。
五
素子の大きい勉強机の上に、厚ぼったい洋書が、終りから三分の一ぐらいの頁をひらいてのせられていた。頁の上には、鉛筆でところどころにアンダ・ラインがひかれてい、書きこみがつけられ、本の角は少しめくれかかっている。松屋の半ペラ原稿用紙の書きかけが並べておいてある。
となりの六畳の、洋風机の根っこの畳に坐って、伸子は新聞をひろげていた。芝生の庭の真中に、先住の人の子供たちがこしらえた土俵の跡があり、そこだけまるく芝がはげている。