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にごうごしゃくにかんするあいこくてきこうさつ
二合五勺に関する愛国的考察
「女性改造 第二巻第二号」1947(昭和22)年2月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,935 字 · 16 页
その食糧は決して少い量ではなかった。彼らの配給は正確に一人一日あたり三合であった。役人たちは食物によって棄教せしめることなど空想もしていなかったので、規定どおりの三合を与え、頭をはねたりはしなかった。今とちがって、米のない時世ではなかったから。そして、雪の上へ裸で坐らせて、そっちの方法で棄教させようと大汗を流していたのであった。
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農民は一升めしが普通だという。切支丹農民でもやっぱり一升めしの口であったのだろう。それにしても、拷問に屈せぬ彼らが三合の配給に神をうらぎったとは夢のようだ。しかし、みじんも嘘ではない。『浦上切支丹史』に書かれている事実だ。
二合五勺配給のわれわれはどうにも信じようがなくなるのは無理もない。われわれはついさきごろまでは二合一勺だの、そのうえ、その欠配が二十日もつゞいていたのだから。しかるにわれわれは暴動も起しておらぬ。拷問よりも三合の米に降参したという浦上切支丹の信仰が、だらしがなかったのではなかろう。要するに、戦争というものが、信仰などより、ケタちがいに深遠巨大な魔物であるからに相違ない。われわれは、このふしぎさを自覚していないだけだ。